秋麗のみぎり、TWILIGHT EXPRESS 瑞風に乗って、下関・防府・尾道・京都と旅をして参りました。
下関駅を出発し、1688グラン・ロゼと松琴堂の阿王雪を頂きながら、博文公に思いを巡らせておりました。
昨年、九州地区吟詠大会で朗詠し、受賞いたしました「某楼に飲す」をご紹介させていただきます。
酒を愛した明朗な博文公の、酔後とはいえこれほどまでの高姿勢であることから、日清戦争後の下関における
李鴻章との講和条約を締結した頃の作ではないかと推察されております。
■漢詩紹介
高 豪
樓 氣 飲
傾 堂 某
藎 堂 樓
三 横
杯 大
酒 空
天 日
下 東
英 誰 伊
雄 使 藤
在 帝 博
眼 威 文
中 隆
■意味
我輩の意気は凛々しく、巍然たるものがあり、大空のはるか彼方まで行き渡るほどである。
日本において、天皇陛下の御稜威を勃々たらしめるものは臣博文を措いて誰がいるというのか。
今この高楼に上り何杯も酒を傾けると、志気はさらに鼓舞され、天下の英雄なぞ我が眼中に入ってしまうほどだ。
■作者 伊藤博文
明治時代の政治家、長州藩出身。
松下村塾に学ぶ。明治18年、内閣制度を創設、初代総理大臣となった。